佐藤仙務「寝たきりだけど社長やってます」を読んだ
脊髄性筋萎縮症という難病を患いながらも起業し社長として活躍されている佐藤仙務さんの本を読んでみました。
単行本が出ていたのは知っていたのですが読んでいなくて、書店で文庫版を見かけて買ってみました。
この方は番組名は覚えてないんですがテレビのニュース番組かビジネス番組で見かけて知りました。
脊髄性筋萎縮症というのは難病で佐藤さんは両手の指先以外はほとんど動かせないそうです。にもかかわらずパソコンを駆使してWebサイトの開発会社を起業し、社長として活躍されています。現在では講演活動もたくさんされているそうです。
この本では佐藤さんが難病を患いながらも腐ることなく自分の可能性を追及する姿が自分の言葉で書かれています。僕だったら心が折れそうなひどいことを言われたりもしています。それでも自分の可能性を見失わずに前に進むのをやめない姿勢がすごいです。
今ではもうその時の暴言は忘れられているのかなとか、人ごとながらそんなことが気になってしまいました。僕自身が前にあった嫌な出来事を何の脈絡もなく思い出してよく勝手に落ち込む人間なので。。
この本を読んで思ったのは、テクノロジーが進歩すれば、人間はどんどん対等になっていくんだろうなということ。
体にハンデがあろうが働き方も自由に選べるようになるし、地理的な有利不利も少なくなっていきますよね。僕にしてもこういった読書レビューを不特定多数に向けて発信することなどネットがなければできませんでした。
やっぱりネットがある時代に生まれてきてよかったなと思います。
話が逸れましたが…
佐藤さんがまだ就職を考えていたころに職場に実習にいく場面があるんですが、そこでの姿勢がほんとにすごいと思いました。
職場でのあいさつがすごくいいところとか、人にものを教えてもらうよう頼むときに、「仕事の手を止めてしまって申し訳ない」旨をちゃんと伝えるところとか…どこのバイト先でも使えることだし、コミュニケーションの取り方がすごく勉強になりました。ああいう新入社員だったらどこの会社でも欲しいと思います。実際にその職場からは来てほしいと言われていたのですが佐藤さんは起業に踏み切られました。
障がいのあるなしにかかわらず社会人として学べるところの多い本でした。自分の境遇に腐ってなにもしなければ、現状維持しかできないですよね。。
年齢、容姿、学歴、お金、あるいはなにかの病気…みんなそれぞれなんらかの「ハンデ」を抱えているんじゃないかと思います。佐藤さんからはそのハンデに向き合う姿勢を教えてもらった気がします。