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弱くてニューゲーム!

30代フリーターが社会の片隅からお送りします。喫茶店めぐりが趣味

安部公房「水中都市・デンドロカカリヤ」を読んだ

安部公房の大ファンという方にまずは短編からなら入りやすいんじゃないかということで貸していただいたので読んでみました。

 

水中都市・デンドロカカリヤ (新潮文庫)

水中都市・デンドロカカリヤ (新潮文庫)

 

 

はじめての安部公房

 安部公房という作家は恥ずかしながら名前をなんとなく聞いたことあるかなという程度で、読むのはまったくの初めてでした。

 

貸していただいた方の話によるとこの作家の本は読んだ後わりと精神的に堪える場合があるので、疲れてないときに読むのがいいよとのこと。要するにSAN値が削られるってことなぁと勝手に解釈しつつ受け取りました。

 

体感的にはいつも疲れている感じなのでそれじゃいつまで経っても読めないってことで、バイト帰りの喫茶店でこつこつ読んでいきました。短編なのでひとつひとつの話は短めで、1回に1、2話ずつだったのですが読み終わるまでそれほど時間はかかりませんでした。

 

どの短編も独創的

ひとつの話は確かに短いのですがどれも内容がとにかく独創的で、現実なのか空想なのかが曖昧になったような作品が多く、しかもその境目がはっきりとしていないのです。

主人公が最初まともなことを話していたかと思いきやその流れで「ん?」と読者が首をかしげるようなおかしなことをさらっと言い始め、まわりの景色までもが徐々に普通ではあり得ない状態になり、、といった具合です。

 

特に「闖入者」という話が印象的で、詳しく書きすぎるとネタバレになるので書きませんが、ある労働者の若者のアパートに見ず知らずの一家(それも3世帯の大家族が)が押しかけてきて、部屋に勝手に住みはじめ、一見「合法的」な手段で家主であるはずの若者を支配して自分たちが家主であるかのように振る舞っていくという。。

 

指揮をとるのは一家の父親なのですがその手口があまりに見事で寒気すら覚えました。これってもし僕が同じことやられたら逆らえないんじゃないかなと。まぁ現代だったら警察も(この作中の警察よりは)まともに動いてくれるでしょうからこんなことにはならないでしょうが。。

 

他の話も現代ではなかなか書けない(のではないか)と思われるような内容ばかりです。この作者は教訓を込めるつもりはないのかもしれませんが、今読むと様々な教訓に飛んでいるようにも見受けられました。

 

書かれたのが昭和20年代ということで、当時の時代背景というのも多分にあるのかなと思います。

 

登場人物に貧しい労働者が多く人ごととは思えませんでした。また結末もバッドエンドというかあまり救いのないものが多く、確かに読んでてSAN値はゴリゴリ削られていたかも知れません。

 

調べてみると評価の非常に高い作品がいくつもあるようですので、機会があればそちらの長編にもチャレンジしてみたいです。

 

おまけ

その方にはお返しに干物妹!うまるちゃん」の1巻をお貸ししました。どう考えても趣味ではないはずですが、今期No1妹をどうしても見てもらいたくて貸しつけました。読んでくれるといいのですが。。

干物妹! うまるちゃん 1 (ヤングジャンプコミックス)

干物妹! うまるちゃん 1 (ヤングジャンプコミックス)